大原山西福寺 第51世 二橋 信玄より
【令和4年2月】
塵も積もれば山となる
どんな些細なこと、小さなことでも、積み重なると大きな実を結ぶ。小さなことを決しておろそかにしてはいけない、と言う戒めで、「大智度論」と言う経典に説かれていることわざです。
「土積もりて山となる」も同じ意味で、「極々小さな塵であっても、積もれば山となる。山となれば、もう動かすことができない」「貪り、怒り、愚痴の三毒煩悩の汚れも、放っておくと悟ることは出来ない。その汚れは、いつしか山となり取り去ることが出来なくなるのだ」と説かれている。
小さな悪、小さな善、何事も始めは小さなものかもしれない。しかし、小さな悪は放置せず、たとえ小さな善であっても、それを積み重ねて行くことが大事です。
佛教は廃悪修善、悪いことをしないで善いことを修めるということです。こんな当たり前のことすら出来ないのが私たちです。また、自分では気をつけていても、何時悪縁に巻き込まれて罪を犯すこともあるかもしれない私達です。
だからこそ法然上人は『善き地に善き種を蒔かんがごとし。構えて善人にして、しかも念佛を修すべし。これを、真実に佛教に随う者というなり。』(御法語後編二十一章)というお言葉を残されています。
私たちは、出来るだけ悪い縁を遠ざけ、善き縁を近づけなければなりません。なによりも一番善い縁とは、お念佛を称えて阿弥陀さまにお迎えいただき、苦しみ迷いの世界から西方極楽浄土に往生することです。この善い縁がより一層強くなるように、日々のお念仏を励みたいものです。
2022年2月1日
二橋 信玄 (大原山西福寺 第51世)


2022年1月 修養会にて