令和8年9月
『 三界萬霊 有縁無縁 乃⾄法界 平等利益 』
お盆も恙なく済み、お精霊(おしょらい)さんもお浄土に無事にお帰りになり、心安らけき事と存じます。
さて、西福寺や他の多くの寺院さまも、お精霊さんに「三界萬霊」の塔婆を付けておられますが、あれは何の意味なんですかとの問い合わせが沢山ありました。
「三界萬霊」の三界とは欲界・⾊界・無⾊界の三つの世界の事ですが、あらゆる全ての霊や精霊を⽰します。三界萬霊とは、先祖はもとより有縁無縁その他全ての⽣命の事です。
◎◎家先祖代々のお塔婆の意味はお判りでしょうが、自分の家系を遡った直系の血縁者、例えば親、祖父母、曾祖父母などを指します。日常会話や宗教行事(お盆や法事)でよく使われます。個人的・身近な関係にある過去の人々を表す言葉です。
私には、「無縁さまは関係ない」と思ってはいませんか。しかし、私の知っている先祖は、せいぜい三・四代前まででしょう、それより以前は名前も戒名さえも知らない情けない私達です。
皆さんは母親の戒名は判っていても、母方の両親・祖父母・曾祖父母の戒名も知らないし、ちゃんと供養されていますか。お釈迦さまは七世の父母を供養せよと申されております。如何でしょうか。
親の縁によって生まれ、衆生の縁によって生かされている私達です。量り知る事の出来ない多いなる命の恵みを頂き、生かされている命なんです。
「先祖の血みんな集めて命かな」
先祖は皆、大事な親です。この私の命は親の命であり、先祖の大事な命なんです。
私の知っている人だけを供養すればいいのでしょうか。遠い昔の先祖さまもご供養しなければ、無縁と同じですよね。しかし、その先祖は⾃分の⽣命の根源であることは厳然たる事実です。そして、ご先祖さま以外でも今は亡き縁有る人々に、どれほど多くのおかげ様を頂いて、生かされて来たことでしょうか。勝手に生きてきた命じゃないのです。だからこそ、お施餓⻤でもお精霊さんでも、今を生かされているおかげ様を感謝し、三界萬霊と必ずご供養もうしあげるのです。
私たちに、先祖や縁ある人々に対して出来る孝養の道は、いろいろ有りましょうが、最大の孝養は、お念佛供養であると元祖さまは教えてくださっております。
令和8年 9月1日
二橋 信玄 (大原山西福寺 第51世)







