今月の言葉

大原山西福寺 第51世 二橋 信玄より

【令和4年12月】

   

「罪は十悪五逆の者も、生ると信じて、
 小罪をも、犯さじと思うべし

 

 元祖法然上人の大切なご法語「一紙小消息」の一説です。
法然上人は自らを「愚痴の法然坊」「十悪の法然房」と申され、善導大師は「罪悪生死の凡夫」と申されました。実際におそろしい罪を犯されたのではなく、自らを深く内省して、澄んだ尊い人生ではなく煩悩にさいなまれる日々であると申されています。

 法然上人は、罪について、「十悪(殺生・偸盗・邪淫・妄語・綺語・両舌・悪口・綺語・貪欲・瞋恚・邪見)・五逆(無間地獄に堕ちる原因となる大罪)の罪を犯した者でも生まれる」と信じながら、「少しの罪も犯すまい」と思いなさい。とお説きくださっています。

 三毒煩悩(貪欲・瞋恚・愚痴)に振り回されて、思わなくて良いことばかり思い、言わなくて良いことばかり言い、しなくて良いことばかりして、人を平気で傷つけ、自らをも傷つけている。傷つけている事すら気付けない情けない私達です。
知って犯した罪もあれば、知らず知らずのうちに罪を犯してしまっている私達です。
 心の中を写す鏡が有るのなら自らを写してみて、実に情けない心しか持ち合わせていない凡夫であると気付くのですが、如何でしょうか。もっと申し上げるなら、佛はそんな情けない罪深い凡夫なればこそ救うてやると慈悲の手を差し伸べてくださっているのです。
 お念佛を称える事により、罪深い情けない私で有ると気付かせていただけます。

 実際に罪を犯さなくても、心の邪悪な思いを断って安らかな日々を送ることは難しくとも、どのような小さな罪をも犯さぬよう心がけつつ、大罪を犯した人でも往生の身の上となさしめてくださる阿弥陀佛のお慈悲にすがり、お念佛の日々を過ごしたいものです。



2022年12月1日 

二橋 信玄 (大原山西福寺 第51世)

 


 


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