今月の言葉(令和5年4月)

大原山西福寺 第51世 二橋 信玄より

【令和5年4月】

   

「咲いた花見て 喜ぶなら 咲かせた根元の恩を知れ」

 

 花は枝によって支えられ 枝は幹によって支えられ
 幹は根によって支えられている
 その根は 土にかくれて 外からは何にも見えない
 咲いた花見て 喜ぶなら 咲かせた根元の恩を知れ

 


 原のお寺に通じる参道の河津桜やソメイヨシノが見事に咲き、境内の小町桜やウコン桜も花開く本格的な春を迎えます。
冬の間は枯木同然の桜の木も、根が大地より水や栄養を吸い上げ、天地の限りない恵みを頂いて、時が来て見事な花を咲かせて私達を楽しませてくれます。

 私達も今日、生きていられるのは何よりも、血肉を分け、命がけで産み育てて下さった親のおかげです。
その親・先祖のおかげを末代までも忘れてはならないゆえに、石や位牌に刻むのです。
私の命の根元、親・先祖のおかげを感謝して暮らさなければ、人生の花は咲きません。『親を拝まぬ人は人に非ず』と申します。

 人は皆、損得の計算では計り知ることの出来ない、限りないおかげ様のお力によって、1分間に18回の息をさせて頂いているのです。だから、己の息の止まる日を誰も知らない。生きさせていただき、死なせていただくのです。この尊いおかげの力を知る時、両の手を合わせずにはおれないのです。

 明年は法然上人が浄土宗を開かれて850年目を迎えます。
今日浄土宗の信者として、お念仏を喜ばさせていただけるのは、根元である法然上人のおかげです。
 お念仏の中に与えられた縁を一生懸命、生き生かさせて頂くことが報恩感謝となり、人生の花を咲かせる事となるのです。

 


2023年4月1日 

二橋 信玄 (大原山西福寺 第51世)