今月の言葉(令和4年9月)

大原山西福寺 第51世 二橋 信玄より

【令和4年9月】

   

 「心配ご無用」

 

 江戸時代後期の浄土宗の僧で、お念仏教化の行く先々で熱烈な帰依を受けた徳本上人というお念仏行者のお言葉に


『仏法は死ぬる法は教えはせぬ。死なぬ法を教えるのじゃ。往生という字は、死ぬるという字は書きはせぬ。往き生まるゝと書くぞよ。この通りに心得て、精出してお念仏を申さっしゃるがよい。』(『徳本上人勧誡聞書』)

 どんなに元気な人であっても、いずれはこの世を離れなければならない私達であります。そんな私達にお釈迦さまは、心から阿弥陀佛のお救いを信じお念仏する人を、一人も漏らさず極楽のお浄土にお連れくださいます。とお示しくださいました。


 この世を離れた時、お念仏申す私達は消えて無くなってしまうのではありません。大切な方々が待っておられる極楽のお浄土に参らして頂くのです。


 大事な往き先があるのです。何の心配もないのです。ですから、コロナ禍の中でも、一喜一憂せず、父母先祖から頂戴したこの大切な生命、只々阿弥陀さまの救いを信じ、お念仏の中に今を精一杯生活して参るだけなのです。


 ※因に、この徳本上人は西福寺の御影堂建立法助の為、8か月間西福寺に逗留され、募財勧進してくだされた大恩人です。


2022年9月1日 

二橋 信玄 (大原山西福寺 第51世)