法然上人 一刀十念御自作座像(西福寺御影堂御本尊)
【令和6年1月】
「浄土の旅の一里塚」
新年は信念に通ず、と言います。信念をもって新年を迎える事が大事です。それは「生かされている生命を喜び、今を生きるという姿勢です。」
一休禅師はお正月に
「門松は 冥途の旅の 一里塚
目出度くもあり
目出度くもなし」
と詠っております。
人生は短い。正月をせいぜい七十回か八十回迎えたらおしまいです。しかし、その短い生命を力一杯生きることが、永遠に生きることになるのです。
更に一休禅師は
「生まるれば これこそ死なる 初めなり
目出度くもあり
目出度くもなし」
とつづけています。
今日の私は、昨日の私ではない。また、明日の私がそこに有るとは限らない。何時、どんなことで無常の風が吹くとも限らない。だからこそ、悔いなく励む努力と進歩が大切です。
日々時々刻々、燃えきって、日に新た、日々に新たに生きて行く事が、永遠につながる信念の生活であることが、お念佛を申すことによって生きてくるのです。
「門松は 浄土の旅の 一里塚
南無阿弥陀佛
南無阿弥陀佛」
お念佛の中に、今を生かされている生命を喜び、佛に全てを任せきって、大らかにお念佛を申すことです。
2024年1月1日
二橋 信玄 (大原山西福寺 第51世)