法然上人 一刀十念御自作座像(西福寺御影堂御本尊)
【令和5年12月】
「難儀もおかげ」
「人生、山の峠道」と言う歌があります。
『 峠の向こうは坂の道、
上りの後は下り坂、
人の定めも峠道、
上り下りが有ってこそ、
人の命に味が有る。
難儀もお陰と噛み締めて、
峠、峠を越えてゆく 』
諸行無常の娑婆世界、天災地変、人災事故、病気や生活苦等、何時どのような辛い苦しい縁に出会うかも知れない私達です。人生山あり谷あり、安心心配の繰り返し。今までどれほどの山と谷を越えて来たことでしょうか、また此れからも超えて行かねばならない山と谷。
我が宗祖法然上人は、850年前、老いも若きも、男も女も、学問が有ろうと無かろうと、全ての人が、一人も漏れることの無い、お念仏の道を行けとお示しくださったのです。仏の救いをひたすら信じ、ただ口に南無阿弥陀仏と称えたならば、必ず阿弥陀仏は救いとってくださるのです。
お念仏を称える中に、どんなに辛い事に出会ったとしても、敢えて受けねば成らぬ縁として素直に受け取ってゆく力がわいてくるのです。難儀もお陰と噛み締めて、お念仏の中に、今を力強く生き生かさせていただきましょう。
おかげさまの心が大事、諸行無常の世の中なれど、今生かされている幸せをかみしめて、お念仏を称えて、おかげさまと素直に喜べる人は幸せですね。
2023年12月1日
二橋 信玄 (大原山西福寺 第51世)
2023年11月23日撮影
2023年11月23日撮影