西福寺・令和の大修理だより

 

令和8年(2026年)7月 現場特別見学会


【修理現場を間近で見学!西福寺・令和の大修理だより】

 


令和の大修理が進む重文・西福寺御影堂。
7月には現場見学会が開催されました。
見学会では、保存修理工事を手がける設計監理者さんの案内のもと、普段は立ち入ることのできない修理現場を見学しました。

現在行われているのは、「揚げ屋(あげや)」という作業です。
柱の根元の繕いなどを行うため、建物全体を少しずつ持ち上げ、約1m上がりました。柱を持ち上げたことで、礎石には約210年前に御影堂を建てた大工さんが描いた線や番付と呼ばれる数字などが現れました。そして、一部の柱の下からは鉄製の輪や飼物(かいもの、パッキン材)などが組み合わさっていたことがわかり、当時の大工さんたちの工夫を知る貴重な発見もあったそうです。

また、取り外した部材の繕いを行っているところも見学し、傷んだ部材はすべて新しく取り替えるのではなく、使える部分はできるだけ残すなど、当時の大工さんによる墨付けや加工の跡など、建物の歴史を伝える大切な情報を未来へ繋いでいくことが大切だとお話をされていました。一方で、虫害や腐朽が著しく進んだ部材は、安全性を考慮して新しい材へ取り替えるなど、一つ一つ丁寧に判断しながら修理が進められています。


見学会では、揚げ屋、そして部材の繕いの状況とともに、修理工事が進む御影堂全体をぐるりと見学しました。

現在、取り外し工事が終了し、現場では部材の繕いや新しい材の加工が行われ、組立て工事の準備が進められています。工事は関係者の皆様の尽力により、順調に進み、来年度からはいよいよ本格的に組み立てていく予定です。
これから少しずつ元の姿を取り戻していく御影堂の様子も、とても楽しみですね。




見学会のはじめには、ご住職さまより西福寺の歴史と大修理への想いが語られました。

建物ごと持ち上げる「揚げ屋」。その現場を見学しました。

 柱を持ち上げたことで、当時の大工さんが礎石の上に残した基準線が見つかりました。

約200年前の墨付けが礎石にはっきりと残っています!

実際に繕った部材も見学しました。文化財の修理では、使える部分はできるだけ残していきます。

木の形成は内側と外側に分かれ、外側の「白太(しらた)」という部分が虫に食われやすいそうです。

御影堂背面から。

御影堂側面へ。

御影堂正面にある向拝(ごはい)には、上部彫刻にリスとぶどうが彫られていました。

最後は御影堂を上から!

ふくい文化財かわら版
福井県教育庁生涯学習・文化財課文化財グループ



←令和7年(2025年)11月     →令和8年(2026年)1月