法然上人 一刀十念御自作座像(西福寺御影堂御本尊)
【令和7年10月】
『お念佛の十徳』
お念佛を称える人は、十の徳を頂戴し、この世を生き生かさせて頂いている喜びを感じる事ができます。
一、 念佛者に魔事災難無し。
諸行無常の世なれば、何が起こってもおかしくないけれど、阿弥陀経に、六方の諸仏が念佛者を必ず御守り下さると説かれています。平生のお念佛が大事です。
二、 念佛者に悪人無し。
人の心は元より善悪無し、善悪は縁によって生ずると言われますが、念佛者は何時も佛が見て御座るゆえ悪事は出来ない。
三、 念佛者に淋しさ無し。
念佛者には何時も佛が寄り添ってくださっており、何時も佛と二人づれ。
四、 念佛者は常に富めり。
念佛者は『清浄光に照らされて』不足不満を言わず、足る事を知るゆえ満足の日暮しで、「喜足」つまり足るを喜ぶ事ができる。
五、 念佛者は腹たてず。
念佛者は『歓喜光に照らされて』忍辱(堪え忍ぶ心)が必ず生ずる。怒ったら負け。念佛する人が勝ち。「かんしゃくの苦の字を取って感謝感謝で暮らしたい。」腹が立ったら念佛申せ。
六、 念佛者に愚痴なし。
念佛者は『智慧光に照らされて』愚痴の咎が滅する。不平不満を言わず。おかげさま。
七、 念佛者に迷いなし。
迷ったときには、佛がこの道を行けと教え給う。『思いわずらう事ぞ無し。』
八、 念佛者は何時もイキイキ。
念佛申し佛の救いに出会うものは、歓喜踊躍にして善心生ず。念佛精進の嬉しさからイキイキと暮らすことが出来る。
九、 念佛者は死の恐れなし。
『後の世も この世も共に 南無阿弥陀仏 佛任せの 身こそ安けれ。』諸行無常の世の中なれば、受けねばならぬ縁は素直に受け取ってゆく力がわいてくるのです。
十、 念佛者は佛の御子なり。
法然上人も佛子源空。佛縁が親縁となる。念佛者は皆佛の御子なり。
お念佛を称えれば、阿弥陀佛の功徳の全てを受け取る事が出来るのです。どんなに辛い悲しい事に出会ったとしても、難儀もお陰と噛み締めて、お念佛の中に、今を力強く生き生かさせていただきましょう。
2025年10月1日
二橋 信玄 (大原山西福寺 第51世)
※【今月の言葉】の表題を【今月の説法獅子吼(せっぽう ししく)】に変更しました。
2021年(令和3年)10月より、毎月1日に掲載しています。







